なぜか途中からしかないのですが、
過去の日記に残っていたので転載します。


・8時起床。 
・さっそく1件目のうどん屋へ直行。 


●宮武(9:00到着) 
 ここで食べるのは2回目。 
 でかい駐車場に止めてから、田畑の用水路に沿って店へ。 
 風景と土の匂いが、小さい頃の実家近くの田んぼに似ている。 
 店内は早朝から混んでいた。ここは注文からうどんが出てくるまで結構かかる。 
 ちくわの天ぷらを1本だけ頼んでいたのだが、待っているうちにほとんど食べてしまった。なんでただのちくわを揚げただけでこんなに美味いのか。何が違うのか謎。 
 そして本日初のうどん。麺に醤油をかけるだけ。コシがある。小麦の香りと手作りマルダシの不ぞろいな麺がよい。 

仲多度郡琴平町上櫛梨1050-3 
TEL0877-75-0576 
http://www.shikoku-np.co.jp/udon/shop/shop.asp?id=6 


●71番札所 弥谷寺(10:00着) 
 とりあえず腹がおちついたので遍路を開始。 
 途中、次の目的地の饅頭屋の看板を見かけるが、ナビの示す位置とは違ったので、支店でも増えたのかな?と思いスルー。結局ナビの間違いだった。 
 しかたないので弥谷寺へ。立派な仁王像に迎えられる。 
 駐車場から本堂がやたらと遠い。石段が500m以上続く。「あと108段」の看板のあと、150段ほどのぼる。 
 お参りして帰る。足がガクガクする。遍路のマナーというか手順がまったくの無知なので、どれが本尊(?)なのかも、「納経所」の意味も分からず。ただお参り。 
 蝉が鳴き始める。トンボも飛んでる。日差しは厳しいが、木陰に吹く風は涼しい。 


●鳥坂まんじゅう(10:30着) 
 一部で絶賛されている鳥坂まんじゅう。 
 前述した通り、ナビの地図が間違えていたためスルーしてしまったが、確かに甘気を感じる佇まい。 
 午前中のふかしたてがうまいとのことで慌てて入店。 
 10個入りを購入。甘いのに、塩味もする。不思議な上品な味。 
 どちらもしつこくなく、一口サイズ。 
 本当にいくつでもパクパクと口に入れてしまいそうになるが、うどんのために自粛。 
 店内で偶然、お遍路に有用な地図を入手。 
 夜になるとすこし硬くなっていた。皮のうまさはやはりふかしたてが一番だったらしい。現地でしか味わえないものを食べれて大満足。甘いものがニガテな人も、ここはオススメ。 
 妻は土産に1袋買ったが、たぶん半日経てばもうカチカチ。でも美味いと思うけど。 

三豊郡三野町大見鳥坂峠 
TEL0875-73-5607 
http://www.shokokai-kagawa.or.jp/mino/kigyou/tossaka/tossaka.html 


●山内うどん (11:00到着) 
 ここも食べるのは2回目。一車線しか無い線路を超え、柵の無い坂を登り、すこし山の上の細い道の先にある。 
 他府県の車がウロウロしてたらまず間違いなくこの店を探してる。というか自分もその中の一つなんだが・・・ 
 ここは前回うどん屋めぐりをした時に1番だと思った店。とにかくダシがいい。イリコの香りがたまらない。帰阪してからうどん屋を探したが、同じレベルの味にはまだ出合ったことがない。 
 自分はあつあつ(うどん。麺共に熱い)を注文。 
 一気に食す。汁もぜんぶ飲む。 
http://www.shikoku-np.co.jp/udon/shop/shop.asp?id=512 
仲多度郡仲南町大字十郷字大口1010 
TEL0877-77-2916 




●山越うどん (12:15) 
 ここも2回目。 
 ひょっとしたらほとんどの店が同じぐらい美味いのかもしれないが、前回巡った店が美味かったので、ついつい同じ店をまわってしまった。 
 今回も、行列がまったく途絶えていない。雨傘や帽子やウチワが自由に使えるように置いてくれてあるのが嬉しい。メニューや食べ方を書いたチラシも用意してる。 
 駐車場も2箇所。 
 うどんを食う場所が拡張されて、庭園のようになっている。 
 おみやげも別の建物ができている。 
 「かまたま」を注文。うまくないはずがない。 
 うどんに玉子を入れて、まずは醤油だけをかけて食う。この醤油も店によって特徴がある。 
 前回はこの「かまたま」を生まれて初めて味わうために香川に来たと言っても良い。 
 玉子が半熟になって、麺にからんでうまい。 
 残りのうどんに熱いダシもかけてみる。このダシも山内に負けず、かつおといりこの香りが高い。 
 くやしい。ケチをつける所がないのがニクい。 
http://www.shikoku-np.co.jp/udon/data/find.asp 
綾歌郡綾上町羽床上602-2 
TEL087-878-0420 


●ニューレオマ天然温泉(12:30到着) 
 おなかいっぱい、汗もかいたので、温泉へ。 
 値段がちょっと高く、駐車代が更にかかるのではないかと躊躇しながら立ち寄る。 
 幸い駐車場は無料。しかもカートで店まで送り迎えしてくれる。 
 入り口で、帰りの客のおばさんから、入浴料の半額券をいただく。これは助かる。ありがたい。 
 水着で入れるできる場所もあり、しかも露天風呂もあった。かなり豪華な施設。 
子供づれは多かったが、広くてきれいな温泉だった。 
 たたみの場所があったのですこしゴロ寝。 
 ・・・家族連れのガキが歌う「アルプスいちまんじゃく」で目が覚める。家族が誰も注意しない。ありがたくないのでさっさと退散。 
 ワイナリーがあったので、ぶどうジュースを試飲させていただく。ありがたい。 
 このあたりから唇が乾き、喉が異常に渇くようになる。たぶん塩分とりすぎ。 
http://www.reomanomori.com/08spa_waku.html 
丸亀市綾歌町栗熊西40ー1 
TEL0877-86-5588




●池上(16:40到着) 
駐車場が無かったので、近所のスーパーでスダチを買ったついでに車と置かせていただく。よほど無断駐車が多いみたいで、看板があちこちにある。 
そしてうどん。1玉70円ぐらいで、とんでもなくうまい。お年寄りのおばあちゃんがうどんを作っているらしい。お金は後払い。全て自己申告。ありがたい。 
http://www.shikoku-np.co.jp/udon/data/find.asp 
高松市鶴市町1009 
TEL087-882-3263 


●59番札所 国分寺(17:40到着) 
 行基菩薩(菩薩?でいいの?)が建立したらしい。 
 そろそろ夕暮れ。人は誰もいなかった。 
 このあたりから、うどんの食いすぎで、異常に喉が渇き始める。 
 昨晩の宿でペットボトルに入れたお茶がとても重宝。 
 日没までいっきに近辺の寺を回ろうと決める。 


●79番札所 天皇寺高照院(18:00到着) 
 保元の乱で敗れた崇徳上皇流された際、この寺にもよく来られたとのこと。だから天皇寺と呼ぶのかどうかわからないけど。 
 この当たりから四国のお寺が、仏教とか神道とか密教とか、いい感じにまざりあってるらしいことが分かり始める。 


●81番札所白峯寺(18:30到着) 
 門が閉まっていたので、本堂には行けず。というか暗かったので山登るのはコワスギ。 車を降りたとたんにデカい蚊がまとわりついてくる。いくら虫除けスプレーをかけてもきかねぇ。さすが山奥。 


●82番札所 根香寺(18:51到着) 
 もう暗闇。入り口の石碑のみ参る。石碑の文字も読み取れないぐらい暗い。 
 いちおう写真を撮っておいたが、怖い。 
 だれもいねぇ夜の神社ってコワスギ。 


●83番札所 一宮寺(19:23到着) 
 もうまっくら。駐車場についたが、墓石の並ぶ道を本堂まで歩く勇気がなく、駐車場で「ごめんなちゃい。おじゃましました」とお祈りし、退散。 


●ファンキータイム勅使店(19:30到着) 
 喉の渇きが限界だったので、マンガ喫茶に立ち寄ることにする。 
 渇水のため、紙コップを使ってくれ、とのこと。 
 すっかり忘れていたが、雨がふらず深刻な水不足だった。 
 とりあえずサーバー前でジュースを一気飲み。 
 お腹が水で腹いっぱいになる。 
http://netcafe.4gamer.net/netcafe/netcafe.php?id=217 






●手打十段 うどんバカ一代(11:20到着) 
http://www.shikoku-np.co.jp/udon/shop/shop.asp?id=486 
阪出市加茂町420-3/0877-48-0409 

 一夜明けて空腹になったところで一店目。 
 街中で普通のチェーン店のようだが、セルフできちんとその場で麺を売っているようだった。 
 冷やしうどんを頼むと、どんぶりに氷水が張っていて怯む。あさいちに冷たいうどんはちと失敗だったか? 
 漬け汁につけて食す。十分合格点。もちもちしてる。 
 食後のコーヒーも無料。新聞と雑誌を読みゆっくりとする。 
 ただ一つ気づいたことが。 
 自分は、街中のこざっぱりした店よりも、農家みてぇな小屋で食ううどんのほうが好きだったという事。 

 それと、さっき見かけた、芸人が秋葉原に買い物に行く番組で言っていた、「アキバ系」の服装そのままで四国を巡っていたこと。 
 曰く。チェックのシャツにリュックサック。 


●がもう (11:40到着) 
http://www.shikoku-np.co.jp/udon/shop/shop.asp?id=10 
阪出市加茂町420-3/0877-48-0409 
 駐車場が狭く、おじさんに誘導して止めさせていただく。山越以上の行列。若者多し。 
 平日であれだけ並んでいるとは。 
 小雨がぱらついてくるが、めげずに並ぶこと10分ほど。 
 あつあつのうどんが出てくる。ダシ汁は自分でずんどうから入れる。 
 自分はあついダシに、生卵を落とす。 
 一口目でその完成された風味に驚く。 
 あつあつの月見うどん。無意識に「うめぇ、うめぇよ・・・」と言葉がついてくる。 
 残りの汁まで美味い。美味すぎる。 

 ロケーションも最高。田園と小高い山を望みながら、軒先で食べるうどんは格別。ああ四国に来たなぁ。という感じ。 
 自分のなかのうどんのランキングが入れ替わる。ここ一位。人気店をそのまま賞賛するのは悔しいが、あまりにも美味すぎた。 
 ここで腹いっぱいになるまでおかわりしてもたぶん後悔はしなかっただろうと思う。 




●彦江製麺所 (12:20到着) 
〒762-0005 香川県坂出市横津町3丁目6-27/ TEL 0877-46-3562 
http://www.shikoku-np.co.jp/udon/shop/shop.asp?id=11 

 最後に彦江。 
 駐車場が見つからず迷いまくる。 
 というか、同じように他府県ナンバーの車がウロウロしてる。 
 彦江は本当にただの民家というか、表札がない。 
 中は本当に製麺所。おばさん2人ほどがうどんをゆでていた。 
 入ると10秒で麺が出てきた。 
 麺を温めなおす所も教えてもらったが、雰囲気に圧倒され、なるべくスムーズに食事をすることにする。 
 で、今回は暖めずにひや麺に熱い汁で。 
 熱い蛇口をひねるとツユが出てくる。 
 縁側のゴザのような座席で食す。大きい扇風機が静かに首を振っていた。 
 手作りの角張った麺と、かつお風味のダシを外で食べるという王道のうどん。 
 今回最後の香川うどんにふさわしい素朴なうどん屋だった。




●78番札所 郷照寺(13:10到着) 
 そろそろ記憶がうすれつつある寺めぐり。 


●77番札所 道隆寺(13:45到着)
 雨がひどくなる。 
 寺の前にアイスクリン屋があった。 
 老夫婦に写真をとっていただく。ありがたい。 
 ここは結構大きいお寺。地蔵さんがたくさんあった。 
 なんか厄除けみたいな手形の石に手を真言らしきものを5回ほど唱える。なんちゃらソワカ。 
 ありがたい。 


●76番札所 金倉寺(13:55到着) 
 とりあえず門の前で「こんどーです」とやりつつ写真。 
 ここらへんからぽつぽつと本気のお遍路さん団体を見かけるになる。 


●休憩 
ファンキータイム善通寺店(14:12到着) 
http://www.funkytime.biz/zentsuji 
 喉が渇いたので、マンガ喫茶に立ち寄ってドリンク飲みまくり。マッサージチェア座りまくり。 
 そのまま寝られるようなシートがあったので、次回はここをキャンプ地とする。


●75番札所 善通寺(15:17到着) 
駐車料をとられるが、観光用の詳しい地図をいただく。 
ありがたいけど、遅いって。結構詳細な地図だったのでくやしい。 
境内はでかい。とにかくでかい。寺を中心に町が栄えてるのではないかと思うぐらい。 
 さわやかな声でご案内される。 
 なんといっても弘法大師三大霊跡である。ちなみに残りの2つは知らない。 
 五重塔まである。五百羅漢像もある。海軍とか国鉄事故? の慰霊碑もある。 
 http://www.asahi-net.or.jp/~VR3K-KKH/photoalbum/zentsuji/image127.jpg 

 みやげ物屋で遍路地図の手ぬぐいを買いかけて辞める。 
 お遍路セット(勝手に命名)やお守りなどが売っているが、寺によって微妙に値段や質が違う。 
 結局迷ってるうちに、買わなかったのだが。

●74番札所 甲山寺(15:30到着) 
般若心経を読む団体さんを見かける。 
以後、何度も同じ団体さんにあう。 
そらそうだ。お遍路だから。ルートは同じだわな。 


●72番札所 曼荼羅寺(15:37到着) 
 小さなお寺。 
ギターを抱いた若者が、 
読経の代わりに本堂の前でギターを弾いている。 
たぶん即興だ。うそごめん。わからん。 


●73番札所 出釈迦寺(15:50到着) 
今回最後のお寺。 
菩薩さまの地下室に入れた。 
弘法大師の生まれた場所とのことで、由緒正しいらしい。 
飛び降りたらしい絶壁もある(遠いから行かない)。天女に助けられたらしい。 
帰りに無人店ですだちを200円分買う。 
あと、親父の還暦祝いにお遍路の手ぬぐいを買う。 
還暦祝いが200円かよ。 




●お遍路のまとめ。 
 特定の宗教を信仰しているわけではなく、お遍路の宗教的な意味も理解しない自分が、とてもありがたい気分になる旅であった。 
 たかだか30歳そこらの自分が、初めて行った土地で懐かしさを感じるのは不思議が事ではあるが。 
 しみじみと自分が日本人であることを再認識した。 

 きっと日本の原風景だったのだと思う。 
 大仏,地蔵、七福神,鳥居、そして古木や山や谷が信仰の対象として同居している奇妙な調和があった。 
 訪れた寺院は皆、木々に埋もれるかのように周りの風景に溶け込んで存在していた。 

  1000年ほど前から今日に至るまで、続いてきたらしいお遍路。白い服は、死に装束でもあるらしい。杖は卒塔婆。 
 実際に旅の途中で倒れる人も多かっただろうが きっとあそこでは、生と死は地続きなのだと思う。 
 死者や先祖が生活の中に居るように感じるし、生きることは死への旅なのだろう。 
 過去から続く歴史の縁と、同時代に生きる人同士の縁。さまざまな縁が重なって自分が存在しているという奇跡を教えてもらったのかも。 

 四国を遍路するように、のんびりと人生を歩んでいけたら、良い一生だったと言えるのではないか。そんな事を考えながらお寺を巡っていた。 



 うどんのまとめ。 
 香川のうどんはみんなうめぇ。また食いに行く予定。