相場を読むことはできませんが、私が考えるに、
「NISAは100万円まで買える = 100万円近くまで買わなければ損」
という考え方が、もっとも危険なように思います。※1

以前も書いたように、NISAは「利益が出た時」でしか、制度の恩恵を得ることができないからです。

もし、単独銘柄を買うなら、最も消極的な買い方は、いくつかの雑誌が勧めているように、配当金の多い株を買う事でしょう。
それにしても、100万円近くの大型株、1銘柄だけを買うのは、一般サラリーマンにはリスクが大きい気がします。

業種の違う小型株をいくつか買って、リスクを分散するとしたら、最大の敵は「手数料」です。※2


リスクを大きく取れるなら、自分が割安と思える株を買って、値上がり益を稼ぐ、一般的なイメージとしての「株取引」を狙うことになるでしょう。
「安い時に買って、高く売る」 それが出来れば苦労は無いのですが・・・


 そこで私は、「いったん、NISAでは投資信託(とETF)での運用を考える」ことにしました。
「いったん」と書いたのは、「1年に100万円」を使い切る必要はまったく無く、またそんなに収入が毎年あるわけでもないので、よく考えて軌道修正がいくらでもできるという点。
それから、NISA口座は夫婦で持つことができるので、2人それぞれ別のポリシーで運用を考えることができる、という点があるからです。



さて、NISAによる投資信託ですが、私の場合、月に30銘柄ほどの、積立購入をしています。
目標は、「定期預金より高い利回り」です。
儲けるため、というよりも、トータルで10年後、赤字にならなければ御の字だと思っています。※3


30銘柄というと、多すぎるとか、お金がかかりすぎる、というイメージがあると思います。
また、「投資信託の銘柄をあまり分散することには意味がない」という文章もみかけたことがあります。

まず、金額の点ですが、今は1銘柄につき、1000円ぐらいから、月々の積立ができるので、
30銘柄でも、3万円でできるわけです。

それから、なぜ30もの銘柄に分けているかというと、それは私が「運用の素人」だからです。
アクティブファンド? 毎月分配型? ブル? ベア? なにそれ? っていう感じですね。
どの投資信託がベストチョイスであるか、まったく自信が無いですから。

例えば数か月だけ、千円づつ、ある投資信託を買ってみて、「どうも自分の想像と違うな」と思えば、すぐ鞍替えできる、それが投資信託のメリットです。


そこで、基本的に私は、インデックス投信で、手数料(売買手数料、信託報酬等)が安いものをチョイスします。
インデックス投信でメジャーなものは、いくつか区分すると、

★日本国内・株式
★日本国内・債権
★日本国内・REIT

★海外(全世界)・株式
★海外(全世界)・債権
★海外(全世界)・REIT

★海外(先進国)・株式
★海外(先進国)・債権
★海外(先進国)・REIT

★海外(新興国)・株式
★海外(新興国)・債権
★海外(新興国)・RIET

★コモディティ

★バランス型


と、分散しようとすれば、かなりの数にのぼるのです。
その上、まったく同じインデックスに投資しながら、手数料などのコストで争っている、「ライバル投信」がいくつかあるのです。

例えば、「日経平均株価に連動するインデックスファンド」だけでも、
SMT
eAMXIS
Funds-i
と、いくつかあるのです。

これらを比較し、最もコストの安い証券会社と銘柄を探す必要がありますし、
放置している間に、「実はもっとコストが安い投資信託を他社が開発していた」という場合もありえます。
また、投信の運用自体が終了してしまうということも、ありえます。

そういう時に、すぐ乗り換えたりするのが可能なため、敢えて多く分散しているのです。※4
これは、購入額が1000円でも1万円でも、手数料の比率が変わらない(ノーロードも多い)投資信託のメリットだと思います。

それから、最後に「購入日の分散」ですね。
毎月の積立というだけでも、分散の効果はあるのですが、月の頭と中ごろ、15日も間があけば、日経平均は結構変動します。
それだったら、銘柄によって積立する日を分けるのも、意味があるとは思いませんか。

あと、ちょっとした「お遊び」程度に、特定の国や特殊な仕組みの投資信託を、千円だけ買って、どういう動きをするのか見るというのが面白いですね。

例えば、
e-maxisの 「資産均等型」と「波乗り型」、それぞれ毎月千円だけ買って、どういう動きをするのか比較するのは結構楽しみです。











※1 ただし、ぐんぐん株価が値上がりし、「できるだけ早く株を買ったほうが良かった」という結果もあり得ます


※2 「NISAのみ、売買手数料が無料」という証券会社があったように思いますが、初年度だけでなくずっと無料だったら、かなり選択肢は広がりますね。


※3 「赤字」というのは、日本円換算ではなく、例えばドル換算、あるいは物価上昇に合わせる形で「資産として損をしない」レベルの話です。


※4 大口の投資家にとっては、たかだか数万円を分散投資するのは意味がないと思われる方も多いと思いますが。