今年もこの季節がやってきました。
(医療費控除は実はいつでも申請できるのですが)

今まで、面倒くさい、制度がよくわからない、税務署なんか行ったことない、という理由で確定申告をしたことがないサラリーマンがいたら、参考にしてください。
税務署には行く必要がありません。すべて自宅で完結してしまいます。
に、ありとあらゆるQ&Aがあるのですが、
それでかえって調べるのが煩わしくなったりしますね。



[準備1]領収書集めてる?

去年(2013年分)の、医療費の領収書を集めておかなくては、お話になりません。

もしやっていなかった場合は、来年の申請にむけて、今年の1月から、せっせと領収書を集めるクセをつけておきましょう。

「これ医療費なの?」と悩むレシートも、とりあえず集めておきましょう。

例えば、ドラッグストアの領収書などです。


それから、通院につかった交通費も、メモりましょう。

「ギックリ腰でタクシーで運ばれた」というような場合も、タクシーの領収書をお忘れなく。

ちょっとでも興味をもっている人は、「10万円が、お金がかえってくるかどうかのめやす」という話をきいたことがあると思います。
そこで、「うちはそんなに病院行ってないよ」と、諦めた人は多いと思います。

しかし、ですね。

例えば、1月・11月まで、9万円分の医療費がかかったとします。

そこで、12月に突然、さきほどのようにギックリ腰で数日入院になった、とか、盲腸の手術をした、なんてことが起こるかもしれません。

結果として、12月に、「高額医療費の申請」でかえってきたお金を差し引いても、9万円ほど治療費がかかったとしましょう。

もし1月から領収書を貯めていたとしたら、9+9=18万円で、そこそこの還付金が期待できます。

ところが、どちらかしか領収書が無い場合、9万円と、惜しくも1円も得にならない、というケースも起こるわけです。

もちろん、扶養家族の医療費も合算できますので、遠方の両親がお歳のせいで持病ができた、なんてこともあるわけですから、やはり領収書は捨てずに取っておくべきですね。



[準備2]前年度は収入あった?

あたりまえですが、収入(納税)がないと、還付金はありません。

大事なのは、医療費控除は、「課税対象額からマイナスできる特典」なので、決して国がお金をプレゼントしてくれる制度ではないってことです。

具体的には、一般的なサラリーマンで、「年末調整」の「源泉徴収票」があって、そこそこの収入があれば、大丈夫です。


では、いよいよ医療費控除の申請の作業をスタートです。


[1]医療費の総額を計算してみる

電卓でも、表計算ソフトでもいいですから、領収証の金額をすべて合計してみてください。

あまりに少なすぎたら、「せっかく手続きしたのに、時給換算したら無駄だった」という悲しい結
果になりますので、作業の前に、まず総額を換算しておきましょう。


 [2] 源泉徴収票を準備する
 
これ大事。12月ごろの給料袋と一緒に入っていたりする、給与所得の源泉徴収票。

思わぬ金額が返ってきて、ガッツポーズ、という人もいると思いますが、書いている数字の意味は、正直よくわからない。いつのまにかどこかにしまいこんでしまって、紛失してしまうということが多いと思います。

そこで、なくさないうちに、さっさと手元においておきましょう。

源泉徴収票のうち、
「所得金額」
「所得控除の額の合計額」
「源泉徴収税額」
の3つの数字が、重要になってきます。
意味はわからなくてもかまいません。

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[3]還付金の概算を把握する

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/index.htm
「所得税及び復興特別所得税の確定申告書」の「給与所得が1か所」のところに、必要事項を入力していきます。

もちろん、仮の入力ですが、ここで大事なのが、「給与所得の源泉徴収票」と、先ほどの「医療費の合計」。


この2つを、上記のサイトに入力すれば、還付されるべき金額がわかる、というわけです。

具体的なことは省きますが、収入の額が少ない人の場合、医療費が年間10万円を超えなくても、還付金をもらえる場合があります。

例えばですが、去年手伝った知人の数字を例に出しますね。
数字はすごくいいかげんなので、実際に自分の源泉徴収票で確認してみてください。

源泉徴収票:支払金額 約160万円の場合
医療費 約10万円 → 還付金 約2500円
医療費 約15万円 → 還付金 約5000円
医療費 約20万円 → 還付金 約7500円
医療費 約50万円 → 還付金 約18000円(最大)

源泉徴収票:支払金額 約850万円の人の場合
医療費 約10万円 → 還付金 0円
医療費 約15万円 → 還付金 約10000円
医療費 約20万円 → 還付金 約20000円
医療費 約50万円 → 還付金 約80000円
医療費 約100万円 → 還付金 約180000円



さきほど書いたように、1日かかって領収書を整理したのに、数千円ほどのお小遣いだけで終わってしまった、ということもあるわけです。

そういったことを無駄なく確認するために、まずはこのサイトで還付金額を確認しましょう。

https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/55032/faq/55038/faq_55041.php



[4]領収書を整理しましょう

バラバラの領収書を、病院(薬局)別、治療を受けた人別に、日付別に、並べ替えましょう。

なぜ並べ替えるかというと、医療費の明細を入力する際、病院の名前や住所、治療を受けた者の名前などを入力しやすいからです。

事務作業に慣れた方や、表計算ソフトの使い方に慣れた人は、もっと効率的な方法があるかもしれませんね。

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[5]領収書の情報をまとめましょう

私の場合は、表計算ソフト(EXCEL)に、ポチポチと金額や病気の名前などを入力していきます。

実は前述の税務署サイトで、明細を入力する画面もあるのですが、せっかく書いたものが消えてしまうとショックなので、EXCELで明細をつくることにしています。

確定申告作成コーナーに、「医療費集計フォーム」がありますので、そちらにデータを流し込むこともできますので、二度手間にならずに助かります。
https://www.keisan.nta.go.jp/h25/syotoku/ta_iryouhi_form_download.jsp?taxYear=13

入力がおわったら、領収書1枚ごとに、1,2,3とナンバリングをしていきましょう。



[6]領収書の束をつくりましょう

私の場合は、A4の用紙(ミスプリントのリサイクル用紙)に、領収書をホッチキスや糊で貼り付けていきます。

こどもさんに手伝ってもらうのも楽しいかもしれませんね。

そして、全部はりおわったら、領収書の束を、大きいホッチキスか、穴を開けてヒモで綴じます。



[7]確定申告をしましょう

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/index.htm

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ほとんどのページ内容は、普通の社会人としての国語力でわかるレベルです。

サラリーマン(給与所得者)として、医療費の還付申請のページだけ記載します。

還付金が振り込まれる銀行口座の情報を入力することを、お忘れなく。



[8]税務署に送りましょう

申請をすすめると、印刷するページがでてくるので、印刷して、署名や押印が必要な場所があったら、記載します。

あとは、上記の領収書の束や、医療費の明細、確定申告の用紙などを印刷して、封筒にいれて、管轄の税務署(年末調整の用紙に書いているはずです)に送ります。



[9]あとは、銀行口座に還付金が振り込まれるのを待つだけ

 場合によっては、税務署から問い合わせの電話があるかもしれませんが、私はここ10年、そういうことはありません。




いかがでしたか?  手間はそこそこかかりますが、こまかな財テクとしてはどこのご家庭でも使えるテクニックではないでしょうか。



[番外編]個人的な小ネタなど

私の経験や、私が見聞きした情報だけなので、仕組みが変わったり、たまたまセーフだっただけで実は間違えている、ということもありますので、かならず最新の情報を確認してください

1.「医療費」は、ドラッグストアで買った風邪薬などはOK。ただし予防のためのビタミン剤などはNG。

2.医療費には、通院にかかった交通費も含めます。ただし日付や区間などのメモが必要。
それから遠方の場合は、その病院でないといけない理由がないと、通らないかも。
例えば「旅行先でたまたま風邪をひいた」で、旅費まで加えるのは、たぶん脱税。

3.治療が必要という医師の診断書があれば、温泉療法でもOK。
美容整形でなければ、皮膚科や歯科矯正でもOK。
遠視や近視のメガネ代はなぜかダメらしい。

4.別居でも、実質的に扶養していれば、親族の分を申請するのはOK。

5.世帯主でなくてもOK。例えば年収100万円の家族が、家族全員分の医療費控除を申請してもOK。
年収が少なければ、医療費が少なくても申請できる可能性あり。


6.医療費の確定申告は、確か過去5年分まではOK。
過去の領収書を大事にとっておけば、申請できるかも。ただし過去5年分のを合算できるという意味ではなく、その年ごとの確定申告が必要。

7.確定申告のミスは、1回だけ訂正ができるらしい。

8.実はE-TAXでは、電子申請のみで確定申告が完結するらしい。
ただし領収書を送らなくてよいということが、数年後にいきなり確認の電話があったりするかもしれないので、やっぱり領収書は捨てずに保管しておかないといけないし、もちろんいいかげんな架空の申請は脱税になるので絶対ダメ。

9.例えば大きな病気や入院をした場合、医療保険が出た分の金額は、医療費控除の対象額から引かないと、脱税になるからダメ。

10.「還付」なので、当然、払った税金以上の金額は戻ってこない。
仮に400万とか500万かかったとしても、その分がすべて反映されるわけではない。
ということは、治療費は、1月をまたいだほうが損な場合も、得な場合もある。

11.っていうか「控除」なので、「医療費15万円かかったから、15万円返ってくる」と思うとがっかりすることになるから注意。

12.実は、大量の領収書ではなければ、税務署に源泉徴収票と印鑑、医療費の領収書を持っていけば、マンツーマンで税務署の方が確定申告を手伝ってくれます。 
本人ではなく、家族の代理でも可。